肉離れ
スポーツによるものが多く、筋肉が引き伸ばされ断裂を生じることがありますが、それが「肉離れ」です。肉離れを発症した時には、「ぶちっ」という断裂音を感じることがあり、痛みを伴います。まれに、筋肉や腱が完全に切れることがあります。
ふくらはぎの肉離れは、腓腹筋の断裂です。ふとももの肉離れは、前面は大腿四頭筋、後面はハムストリングの断裂です。
診断
スポーツ中に強い力がかかり典型的な部位に圧痛があったり、時には断裂部の陥凹を触れることもあります。肉離れの診断をするためには超音波検査エコーを用います。時には詳細な診断をするためにMRI検査を行うこともあります。
また、スポーツでよく起きる筋損傷であるこむらがえりや筋打撲傷(筋挫傷)との鑑別が必要です。ちなみに、こむらがえりは一次的に筋肉がロックした状態で、筋打撲傷はももかんとも呼ばれ人との接触によることが多く明らかな外力によるものです。
重症度分類
重症度は、治療やリハビリテーション、競技復帰までの期間に大きく関わります。このため、エコーやMRIなどの画像診断などを用いて正確に判定していく必要があります。
Ⅰ型(軽傷):出血型
腱・筋膜に損傷がなく筋肉内に出血を認める。
Ⅱ型(中等症):筋腱移行部損傷型
筋腱移行部の損傷を認めるが、完全断裂・付着部の裂離を認めない。
Ⅲ型(重症):筋腱付着部損傷型
筋腱の短縮を伴う腱の完全断裂または付着部裂離がある。
治療と予防
重症度により、安静、湿布、ぬり薬、内服薬などの治療法が必要になりますので、まずは医師の診断・治療を受けてください。スポーツ競技に復帰される方は、ストレッチする時の痛みがとれて、健側と同じ通常のストレッチ感になるまで激しい運動は避けましょう。スポーツ復帰には筋肉の太さや筋力測定をします。当院ではエコーを用いて筋肉の修復を定期的に観察し判断しています。マッサージやストレッチは、治療にも予防にも効果的です。